# WordPressをdocker-compose(nginx + php-fpm + MySQL + certbot)で構築する(https対応)
2019/07/27最近はずっとこれやってました。dockerをきちんと勉強したかったのと、度重なるApacheやWordPressの脆弱性対応のバージョンアップ作業にうんざりしていたため、Apacheをやめてnginxを使おう&ぶっ壊しやすいdockerにしようということで。環境を選ばず構築できるよう、https対応もdocker-composeでやります。
# 構成図
- ホストの80/tcp、443/tcpをnginxコンテナにマッピングし、webアクセスは全てnginxコンテナが受け付けます。
- WordPressはphp-fpmのイメージを利用してソースからビルドします。WordPress公式のイメージもあります (opens new window)が、日本語版のWordPressを使いたかったこと、WordPressのバージョンとphpのバージョンそれぞれを自分で柔軟に管理したかったため自分でビルドすることにしました。
- アセット類へのアクセスはnginxがそのままレスポンスを返します。
*.php
へのアクセスは、php-fpmコンテナへfastcgi_pass
します。そのためドキュメントルートはnginxとphp-fpmで共有します。 - WordPressのほとんどすべてのコンテンツはgit管理する必要がないため、名前付きvolumeでマウントしてホスト側にデータを永続化します。ただし、テーマはgit管理できるよう、bindマウントします。詳しくは後で述べます。
- 証明書は
Let’s Encrypt
を使います。運用にはcertbotコンテナイメージ (opens new window)を利用します。詳しくは後で述べます。
# ソースコード
こちら。使い方などはREADME.md
に書いてあるので、このブログでははまった点、悩んだ点を書いていきます。
https://github.com/uda-cha/wordpress_ja_docker (opens new window)
# 証明書の運用をdockerでどう行うか
dockerでLet’s Encrypt
の証明書を発行・運用するならcertbotコンテナほぼ一択でしょう。証明書と秘密鍵の保管方法は、certbotコンテナとnginxコンテナで同じ名前付きvolumeをマウントして、証明書更新時にnginxからシンボリックリンクの張替えを行えばOK。構成図でいうとcertbot_confで管理しています。
問題は証明書の作成方法と更新方法。今のところ、Let’s Encrypt
のドメイン検証方式はそのドメインを運用するwebサーバ内で完結できるhttp-01で行っています。dns-01でやるのが多分一番楽ですが、なるべく一か所で管理したかった。
また、certbotコンテナはhttp-01のドメイン検証用のwebサーバとしても稼働できますが、私は完全にコマンドラインツールとしてのみ使用しています。
http-01は、証明書発行時に指定したドメインの/.well-known/acme-challenge/
のディレクトリに、Let’s Encrypt
から指定されたランダムな名前のファイルをcertbotが生成し、Let’s Encrypt
が インターネット越しにそのファイルにアクセスしてきちんとコンテンツを取得できるかどうかで検証します。
どうやって/.well-known/acme-challenge/
を外部に公開するかは、以下の二つの方法を思いつきましたが、とりあえず前者でやっています。前者は余計なマウントポイントが増えてうーんって感じなので、たぶんそのうち後者に変更します。ただ前者も前者でweb公開設定をnginx一か所で管理できるのが良いポイントなんですよね。
- certbotのwebサーバとしてのドキュメントルートをnginxと共有する(certbotをwebサーバとして外部に公開しない)
- nginxに対する
.well-known/acme-challenge/
へのアクセスのみ、webサーバとして稼働しているcertbotへproxy_pass
する
# WordPressのテーマを永続化させるとWordPressコンテナ破棄後に再作成した際に言語選択画面が表示されない
WordPressは初回インストール時に言語を選択できます。しかし、素のWordPressをソースコードを利用していて、かつWordPressのテーマディレクトリをbindマウントしてホスト側に永続している場合、一度WordPressを構築した後にdocker-compose down
してもう一度docker-compse up -d
したときに、この言語選択画面が出てきませんでした。
PHPのコードを追いましたがよくわからなかったので、手っ取り早く日本語版のWordPressのソースコードを利用することにしました。うーん。
# タイムゾーンの変更めんどくさすぎ問題
ログの時系列を整理するために、コンテナのOSのタイムゾーンとアプリケーションのタイムゾーンそれぞれをAsia/Tokyoにしなければなりません。
OSのタイムゾーンは、docker-compose.ymlで環境変数TZ
を指定して渡す例が多くネットに上がっていますが、その方法が使えるかどうかはきちんとそのDockerイメージの成り立ちを確認しなければなりません。alpineならtzdata
がインストールされているか、debian系ならlocales
がインストールされているかどうか。
また、コンテナ内で稼働するアプリケーションにもタイムゾーンを設定してあげる必要があります。nginxはOSのタイムゾーンを読んでくれるので楽。phpはphp.ini
で指定しなければいけないのでちょっと面倒。MySQL 5.7、おまえふざけんなよなんでデータベース自体のタイムゾーンはきちんとOSのタイムゾーン読んでくれるのにログのタイムスタンプのタイムゾーンだけデフォルト値がUTC (opens new window)なんだよ1日返してくれ。
よく言われることですが、イギリスに住みたいですね。
# 最後に
今回作成したWordPress用コンテナ群は、今GCEで実際に運用しています。運用しながら課題をいろいろみつけて勉強していきたい。
今わかっている段階でもこまごました問題があって、githubのissueに積んでいっています。監視がまだできていないので、Zabbixエージェントで各コンテナのアプリケーションの状態、リソース状況、ホストのリソース状況をとれるようにもしたい。
ただあまりWordPressとdockerばかりやっている時間もなくて、勉強しなければいけないことが山積みでしんどい。みんなどうやって勉強してるんだろう。頭が悪いと時間が足りない。